10/10
今回は解説も交えるので少々長い。
土肥の楽しさは長男さんにも教えてやらねばなるまいと車に乗せて金曜の夜に家を出、日付が変わる前に土肥に到着。長男さんは寝こけていたが、こちらは寝ている場合ではない。タチウオのウキ釣り仕掛けを持って堤防の先に向かうと、ひとつだけ電気ウキが浮いており、これは案の定Uさん。隣に入らせて貰う。
霧が出ていて夜光虫も少々。最近読んだBlogでは、夜光虫を追ってベイトが入るので、多すぎない夜光虫は青物爆釣に繋がるサインだという。この日は注意して見ないと分からない程度の発光量だが、これはどう評価すべきか。Uさんに状況を聞くと、それほど景気は良くない。夜のうちは植物性プランクトンが光合成出来ないから、夜光虫は酸素濃度が低くなる要因にしかならないという事か。そそくさと竿を作る。
ここで釣ったマルソウダの塩漬けを付け、棚5mで例のがまかつのワイヤー2本針仕掛けを流すが、なかなかアタリが出ない。1度だけアジでもかかったかのようにウキが沈んですぐに浮いてきてしまった。回収するとカツオは皮だけになっている。どうもタチウオではなかったようだが、魚種が何かまでは分からない。2時間ほどやって心が折れ、太刀魚の連敗記録を伸ばす羽目になった。朝間詰めまで仮眠を取る。
混むのは先端から
ここで少し土肥コバルト堤防について解説。この堤防は高低2段に分かれている。青物を狙うなら先端部で、上段2名と下段4名程度が圧倒的に有利。上段の中ほどから根本付近ではアオリイカやオオモンハタが釣れているのを見かけた。フカセの人もよく見かける。先端部だと上段に登るのは成人男性でぎりぎり。とは言え堤防付け根の方は低くなっているから、女性や子供でもそれほど心配ない。
足元の水深は5m程度で、堤防付近は底に石が敷き詰めてあるので根掛かり注意。40mも投げると水深は20mほどになるので、それほど遠投せずともカケアガリに仕掛けが入る事になる。常連さんは30m付近に距離を揃えてカゴを入れる事が多く、棚を2ヒロ以内にして同距離に投げ入れていれば、ちょいちょいカツオの群れが入って来る。協力して手返し良くコマセを撒いていれば入れ食いが長く続き、この時は白バケが有利。運が良ければイナダも食ってくる。
オキアミで釣れた42cmのイナダ
棚は2ヒロと浅い
食いが落ち着いている時はオキアミ有利で、棚や距離などあれこれ工夫してみると良い。堤防周りにはネンブツダイが常に群れており、これを足元で泳がせてカンパチを釣った人もいるそうな。大小のナブラが立つ事も多く、メタルジグを一本用意しておくのも手。特に朝間詰めはルアーや弓角を投げる人が多い。
さて、4時半ごろからまた堤防に出てルアー竿とカゴ仕掛けを用意する。ひとまずルアーで様子を見るが何もかからない。Uさんはちょいちょいカマスをかけているようだ。5時半ごろにはすっかり明るくなり、長男さんを叩き起こす。特に面倒は見なかったが、ルアー竿を仕立ててジグを投げ始めた。だいぶサマになって来ているが、たまにあらぬ方向に投げてご迷惑をお掛けしていたようだ。
私はずっとカゴでぼちぼちソウダとゴマサバを釣っていたが、8時ごろには満腹気味。ルアーで全く釣れない長男さんに、私の竿にかかったカツオを取り込みまでやらせてやった。竿の重さと引きに耐えかねてちょいちょい糸フケを作るものだから、すっかり仕掛けをだめにしてしまった。
Uさんは堤防の内向きで泳がせで遊んでおり、大型のエイを揚げたので長男さんは喜んで見に行っていた。その後も泳がせたカマスにアオリがかぶりつくのを観察したりと楽しんでいたようだが、水中にある生物を発見して騒ぎ出した。ウツボである。釣れた青物の頭やワタをたまに堤防際に落としているので、それを目当てに1m近いウツボが5匹ほども集まっていたのだ。
私は高知でウツボ料理を食べて以来、何とかして自分もウツボを釣って料理出来ないものかと考えていたので、「ウツボを釣ろう!」と大興奮して騒ぐ長男さんの言葉に乗る事にした。最も頑丈な針は40gのジグに付けていたシングルフック。それにマルソウダの切り身を付けて底近くに落としてやると、すぐに竿先に反応がある。
そこそこ警戒心はあるようで、早目に合わせると餌を放してしまう。だが所詮は捕食側の警戒レベルというもので、すぐに同じ餌に食いついてくる。根に潜られない程度に餌を沈めて何度か合わせるうちにがっちり針掛かりした。竿を糸と平行にして強引に巻きタモに入れて陸上へ。
あぶなーーい!
測りはしなかったが目測90cmくらいか。網に食いついて体を捩じりぶちぶちと引きちぎったり、8の字に締め付けたりしていて獰猛この上無い。シングルフックは完全にのされており、口の強さが窺われる。どうやって〆ようかと試行錯誤したが、コマセ解凍用に持ってきたスコップでパーンと頭をはたくと脳震盪を起こして怯む。ここですかさず頭を踏みつけてナイフを入れると楽に片が付いた。この後も2匹追釣して計3匹。まだ釣ろうとする長男さんをなだめて納竿して貰った。
針はすっかり伸びてしまった
帰りは東名でひどい事故渋滞に巻き込まれ、2時間ほど余分にかかった。家ではウツボと悪戦苦闘し、何とか3匹とも解体。どんなに手荒に扱っても身崩れせず、蛇でも捌いているかのようだった。生姜醤油に付け込んだ唐揚げにはビール、塩焼きには日本酒が合う。冷凍にも耐えるので、後日も思い出したように解凍してはウツボ料理を楽しんだ。見た目的に嫁には不評だったが、これはやめられん。
見るからに旨そうな白身